「ラーニングストーリー」とは、子どもたちの成長記録のことです。
子ども一人につき1か月に一度程度、写真を交じえながら教師が書くもので、ニュージーランドの幼児教育には欠かせません。
今はオンラインでも管理されているようですが、以前は子ども一人一人にバインダーがあり、新しいものが書かれると、そこに加えられていきました。
子ども本人はもちろん、保護者もいつでも見ることができますし、家庭へ持ち帰ってもいいことになっていました。
誰でも手に取れる棚に並べていたので、園児たちが数人で集まって自分のバインダーを開いて見ていたこともあります。
さて、Te Whārikiには4つの原則と5つの要素、そして成長的ゴールが記されていると「ニュージーランド式保育とは」で述べました。
ラーニングストーリーは、子どもの成長をTe Whārikiと照らし合わせて書いていきます。
いろいろな書き方があるようですが、Kia Ora!ベビーシッターが働いていたニュージーランドの保育園では、ラーニングストーリーは大まかに3つのパートによって構成されていました。
① 教師が観察した子どもの言動
② ①がTe Whārikiのどの要素やゴールと関わっているか
③ 次の目標とそれに向かっての教師のプラン
そして、一番の特徴はラーニングストーリーは保護者向けではなく、子どもに向けて書かれていたということです。
つまり、「○○(子どもの名前)、あなたは昨日こんなことをしましたね。」というような書き方です。
園によって違うかもしれませんが、少なくともKia Ora!ベビーシッターがいた地域のほかの園でも、お子さまを二人称にして書いていました。
まだ字が読めないお子さまであっても、同じように書きます。
保護者の方が読んで聞かせることもあるでしょうが、字が読めるようになれば、お子さま自身でラーニングストーリーを読むことができます。
お子さまを最も尊重した書き方だと思います。
ほかの誰でもない本人の成長記録を書くのに、「○○は昨日~。彼/彼女は~。」という書き方ではそのお子さまを第三者にしてしまっています。
ですから、お子さまに向けて書くやり方を個人的にとても気に入っていました。
(そういうわけで、Kia Ora!ベビーシッターのシッティング完了報告書はお子さまに向けて書くことにしています。)
世界中からニュージーランドの幼児教育が注目されている昨今、日本でもラーニングストーリーが導入されている保育園などがあります。
お子さまの成長過程が残せる記録、すばらしいなと思います。